色の3要素、対比、ベタ塗りを学ぼう!(基礎科)

高校1・2年生対象の基礎科では、年間に数回、講義を含むゼミ形式の授業を行います。9月後半には「色彩ゼミ」を行いました。

まず、スライドを用いて
1・人間が色彩を知覚する仕組み
2・色彩の三属性(色相、彩度、明度)
3・加法混色(光の3原色)、減法混色(色材の3原色)
4・色の対比
について、基礎知識を学びます。
これらの用語は、知識としてしっかり理解しておかないと、今後の実技の授業での伸びに関わるので、途中で意味を問い直すなど、復習しながらしっかりと覚えてもらいました。

次に実際に色彩を用いていく上で必要となる実践的な知識として
5・色の遠近法(進出色、後退色)
6・色の持つイメージ(例えば「緑」には「安心感」や「生命力」というイメージがあるので、病院の建物に使われるケースが多い。といった逸話など)
について、ディスカッションを交えて考えていきました。

ここから実技に入りました。課題内容は「色面分割に挑戦!」です。指定された写真から1点選び、ふたつの画面を作って、一方にはベタ塗りで写実的に、もう一方には、各自の自由表現で描きました。絵具はアクリルガッシュを使用しています。

基礎科「色彩ゼミ」での作品

左が元の画像からのベタ塗り表現です。自由表現では、夕焼けをイメージして色彩を選びました。

基礎科「色彩ゼミ」での作品

上が元画像です。自由表現では「補色」を意識して描きました。この生徒はアクリルガッシュでの色彩表現は初めてでしたが、後から手がけた下の絵の方が描き込みができています。やはり何事も経験の積み重ねが大切ですね。

基礎科「色彩ゼミ」での作品

こちらの作品では、ベタ塗りと水をたっぷりと使った透明水彩風の、ボケや滲みの表現の対比を狙いました。

基礎科「色彩ゼミ」での作品

自由表現では、色彩はそのままに、ブレたような表現で違いを出しました。

普段何気なく使っている色彩にさまざまなルールと効果があることを知り、それを自らの作品の上で実験することは、生徒たちにとって新鮮な経験だったようです。

ここで得た知識と経験をもとに、さらに独自に研究を深めていってほしいと思います。


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