大観と明治に触れて
4月20日、アトリエ新松戸の校外学習として、現在東京国立近代美術館で開催中の「生誕150年 横山大観展」に行ってきました。
昼間部メンバーが対象ということで、(代表岩崎にとって)昼間からアトリエの外に出る久しぶりの機会でした。
まずは工芸館に足を運びました。
一番の見所は鈴木長吉による“十二の鷹”でしょう。
十二体揃って展示されることは珍しいそうで、こうしてずらりと並ぶ姿に感動しました。
技巧や質感を実際に見るからこそ得られる感動でした。
次に大観展へ。
ここでは屏風の見方を学びました。
屏風は左から右と眺めていくと、常に見え方が変わってきます。
画面が平坦でなく、蛇腹状になっているためです。
「さっきまで昇っていた月が、沈んでいる」「一匹の龍だと思って歩いていたら二匹目が出てきた」
などなど、静止しているはずの画面の連なりに壮大な演出が施されているのです。
また、屏風は本来正座した目線で眺めるものなので、高さも意識して見るとまた違った発見があります。
昔の人は動画がないかわりにこのような形で映像を楽しんだのでしょう。
さてこの企画展である横山大観はとても素晴らしかったのですが、実はこの校外学習の真の目的は「常設展を見る」ことにありました。
いつでも見られる常設展の作品群、本当に見ているでしょうか?
一度見た作品を次に見る時までに、君たちはたくさんの経験を積んでいるはずです。
作品を生み出すこともそうですし、本や映像、人々から学び見識を深めること、旅をしていつもと違った風景を見ることも経験です。
そうして生きてゆけば、昨日の目とは違う目を今日は持つことになります。
やや抽象的な表現になってしまいましたが、つまり同じ作品でも、見る時を変えれば違った見方を持てるようになるのです。
君たちの目が変わったのですから。
以前見たあの絵、今日はどんな発見がありましたか?
“良いもの”をたくさん見た今日の目を、明日の目に変えてください。