展覧会レポート「展覧会 岡本太郎」「大竹伸朗展」

東京都美術館「展覧会 岡本太郎」

岡本太郎の「最初期から晩年までの代表作・重要作を網羅(公式ホームページより)」する展覧会。

岡本太郎というと「芸術は爆発だ!」のテレビCMのイメージが強く、天才肌で感覚派という印象を持っていました。しかし10年にわたるパリでの滞在期間中にシュールレアリズムと抽象絵画からの影響のもと「対極主義」という独自の理念を作り上げ、戦後は日本にとどまらず、韓国やメキシコまで幅広くおこなったフィールドワークから、日本文化への洞察を深めていくなど、ものすごく理知的なプロセスを経て制作していたことに驚かされました。

観終わった時に、心地よい頭脳の疲労を感じた展覧会です。

東京国立近代美術館「大竹伸朗展」

大竹伸朗の半世紀に及ぶ創作活動を、その最初期から最新作まで、約500展の作品で振り返る大回顧展です。

「自/他 Self/Other」
「記憶 Memory」
「時間 Time」
「移行 Transposition」
「夢/網膜 Dream/Retina」
「層 Layer/Stratum」
「音 Sound」
の7つをテーマに、それぞれ時系列にこだわらず展示されています。

立体、平面、インスタレーション、スクラップブックなど、非常に多様な表現をおこなってきた作家ですが、こういった形で概観すると何か芯のようなものが見えてきた気がしました。

それをうまく言葉では表せないのですが、「考える」よりも「感じる」ことが大切かなと思います。その上で、新聞のような図録とテキストによる解説で理解を深める。それがおすすめです。


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