身の回りを取材してレリーフで表現しよう!(基礎科)

基礎科では6月にアトリエの周りをスケッチで取材して要素を集め、スチレンボードを重ねてレリーフ状の半立体作品を作るという課題に取り組みました。

身の回りを取材してレリーフで表現しよう!(基礎科)

この作品は駅から遠くなるにつれて、ネオンなどきらびやかな光が少なくなっていくと同時に、そこではある時間帯になると美しい青い世界が現れるという、空間と時間の変化からの気づきを表現しました。

身の回りを取材してレリーフで表現しよう!(基礎科)

道路標識など、実際の色彩よりもより鮮やかに扱うことで、あたかも外国にいるような雰囲気づくりを目指しました。

通りに捨てられたゴミや、看板の汚れに注目しました。
表面は大きな通りの情景で、ゴミが落ちてたり看板などが汚れたりはしていますが、それでもまだ抑制が効いている様子を表現しています。それに対して裏面では、グラフィティがそのまま放置され、すでに景観を維持することを放棄された裏通りの様子を表しました。この制作を通して、街の持つ二面性に関する気づきがあったとのことです。


6月12日にオンラインで開催された東京藝術大学油画科説明会で、受験生に求める資質として「観察」を挙げていました。入試では、デッサンや絵画制作の課題があるわけですからモチーフを観察する力は当然必要とされます。興味深かったのは「ここでいう観察には社会的観察もふくまれる」とおっしゃっていた点です。

社会問題を解決、あるいは提起する手段としてのアート、デザインのあり方について、考えていくことが求められるということでしょう。

今回の課題が、そういった態度を自らの中に育てていく第一歩になってくれたらいいなと思いました。


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