木炭デッサンの効用(基礎科)

高校1・2年生対象の基礎科では、デッサンの描画材料として、主に木炭を使います。

実際の入試実技では、特にデザイン系の学科では鉛筆を使うことがほとんどなのですが、あえて木炭を使うのには訳があります。

まず、色(=調子)をつけやすく、なおかつ取りやすいことです。
鉛筆だと、大きな面積を黒く塗るのには大変な労力を使いますが、木炭ならかなり短時間で黒くすることができます。また、指や手のひらを使うだけで、ある程度木炭を落として明るくすることもできます。
さらに、デッサンパン(=食パン)を使うことで、大きな面積の色を明るくすることができます。

こうした性質になれてくると、画面を黒くすることへの恐怖心を和らぎ、結果として、形や調子を直すことにためらいがなくなります。綺麗に描き上げることも大切ですが、木炭をつけたり取ったりすることで、モチーフに迫ることに重点を置いているのです。
「デッサンとは直すこと」これをモットーに指導しています。

5枚の作品画像は全て違う生徒のものです。
それぞれに、こういった趣旨を理解した上で、取り組んでくれていると思います。


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