お宝資料がやってきた

先日アトリエ新松戸カルチャー教室のブログで古典技術を学ぶ特別講座のレポをアップしましたが、古典つながりの話題を一件お届けします。
この夏、カルチャー教室の生徒さん(の知人の知人)から大層なものをお譲り頂きました。
ご覧ください。

70年代に集英社から発行された『現代世界美術全集』が全て揃った状態で、しかもおそらくこのシリーズのために手作りされた本棚つきです。

一冊のサイズは395×305とB4判よりふた回りほど大きく、美術書としても大きな部類に入ります。
手に持って中を見ようとすればずっしり重みがあり、鍛えた筋力が必要なレベル(;´Д`A
しかしネットでの画像閲覧と比べ迫力が断然違います。

この全集を初めて見る私などは「お宝、お宝〜! キャッキャッ」と騒ぐばかりですが、代表岩崎は「う〜ん」と首を傾げています。
どうやら作家の並び順やペア・トリオになっている作家の基準にちぐはぐな部分が見られて突っ込んでいる様子。

それぞれの巻はブックケースに収納されているのが本来の姿ですが、これも代表によって全て外されております。

「“資料”なんだから箱に入ってたら使い勝手が悪いでしょう」

流石ですね、コレクターとは違うのです。

奥付を見てみます。
名だたる製紙会社、印刷会社が並んでいます。

勉強不足の私には見慣れない言葉もいくつかありました。
個人的にネット通販印刷屋を利用する機会が多いのですが、よく目にするオフセット、オンデマンドとどの様な違いがあるのでしょうか。
こちらのサイト様でグラビア印刷とオフセット印刷の比較が分かりやすく解説されていました。

また原色印刷というのは原色版印刷のことでしょうか、これも解説ページ様をご参照下さい。
以前は写真や美術作品の複製に適した印刷技術として主流だったとのことです。

モノクロページとカラーページでは紙の種類が異なっています。
画像では分かりにくいかもしれませんが、モノクロでは画用紙タッチのぬくもりのある紙です。

今では(特にネット通販印刷)このようにカラーとモノクロを混合させたり本文に2種類以上の紙を採用したりするとかえってコストが高くなる場合が多いですが、当時の印刷技術ではコストを下げる手段だったのでしょう。

さて同じ作品を他の参考資料版と比較してみます。
色の再現性についてはかなり差があるのが分かります。
といっても、私は実際の作品を生で見たことがないためどちらが本物に近いか判断することはできません。
ただ、最近の参考資料からは“デジタル風味”を感じます。

↓左が最近の資料、右が古めの資料(日本産、海外産の違いもアリ)。

同じウサギさんとは思えません。

このような視点で各資料を眺めるのも面白いです。

アトリエの皆さん、ぜひ活用してください。